La vida tranquila como una melodia "TARARAN"
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Mozart en la calle
旧市街にあるスクレ劇場にモーツアルト生誕250年のコンサートを観に行った。
エクアドル国立オーケストラの演奏で、ヴァイオリンコンチェルト。ソリストはエクアドル在住の日本人。

会場にタクシーで向かうとそれはそれは大渋滞で、
しょうがないので途中で降りて小走りで向かったけれど、
キャパ300ほどの小劇場だからチケットはもうすでに売り切れていた。
ダフ屋に値段を聞くと15ドルの席が25ドルだと言う。買う気にはなれず、立ちすくむ私。

ふと見ると、劇場の外の広場では人々がお行儀良く椅子に座っている。
あれれ?と思ってよくよく見ると大きなスクリーンが2つ用意されていて、
なんと野外観覧席が設けられているわけ。
席は即席で200席くらい用意されていて、もちろん誰が座ってもよくて、もちろん無料。
なんてステキ。早速空いている席を見つけて私も座る。

人が集まればそこへ目掛けて商売をしにやってくる人がいる。
ガム売りの少年、ポテトチップ売りのおばちゃんらが席の間を回って
「ちくれ~、ちくれ~」
「ぱぱふり~た~」
とやる。
公演主催者も同じように席を回ってプログラムを配り歩く。
これは今までに経験したことのない、クラシック音楽鑑賞。めちゃくちゃ面白い!

8時半過ぎ、スクリーンに指揮者が映し出されて演奏開始。
しかし、音が出ない!
エクアドルらしいハプニングで人々が一斉にブーイングする。
しばらくしてステレオから音が流れてきて、人々大喝采。
こんな愉快で豪快なクラシック鑑賞、初めて。

隣に座ったおじさんは、ソリストの日本人のことを知っていて
「彼はエクアドルでとても有名なんだよ。彼の右に出るヴァイオリン弾きはこの国じゃいないな。」
なんて私に説明してくれる。ほほー、そういう演奏家人生というのもアリなんだな、と思う。
同じ日本人というだけで、なんとなく嬉しい気分になる。

その演奏はなかなかのもので、モーツアルトらしいハキハキした美しい演奏であった。
国立オケのレベルもかなり高い気がした。もちろん生で聴いていないのできちんとは分からなかったけれど
少なくともエルサルバドルの国立オケとは比べ物にならないくらい洗練されていた。

キト旧市街は世界遺産に指定されていて観光客も多い反面、
夜の一人歩きは絶対にダメ、タクシーもつかまるかどうか分からないから行かないほうが無難・・・なんて
行く前に言われていたから、時計もアクセサリーも何もなしで入場料とタクシー代だけのお金を握り締めて向かったけれど
今夜は本当に心温まる光景を見た。
人々が広場に集ってモーツアルトを聴く。お金持ちも貧乏も関係なく、同じ音楽を共有する。
ある人は子供とキャッキャ戯れ、ある人はお菓子を売り歩き、ある人は今日寝る場所・食べる物のことを思案しながら、聴くモーツアルト。
こういう音楽の聴き方もあるわけだ。

ヴァイオリンコンチェルトのあと、休憩を挟んでもう一曲あるとプログラムにあったけれど、
いかんせん野外の鑑賞では寒くなって、退散することにした。
まだバスも走っていて、乗ろうかと少しあるいたけれど
さすがに劇場から離れた場所は人通りが少なくなって通りすがりのタクシーを呼び止めた。
行き帰りで5ドルのタクシー代。キトの旧市街の夜を堪能して週末がはじまる。
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